「・・・もういい」
実歩はそれだけ言い残して俺の席を離れた。
「なーにー!喧嘩してるの?智哉くん♪」
「は?ほっとけよー」
「なんでも裕二君に相談しなさい♪」
裕二は大学で1番仲の良くてなんでも話せる友達だった。
見た目はチャラくて絶対仲良くなんてできないと
思ってたけど案外話してみたらいいやつだった。
「で?どうしたわけ?」
「別にどうしたわけでもねーけどさ」
俺は素直に裕二に昨日の話もモヤモヤすることも
全部話した。
「お前馬鹿?」
「は?馬鹿とか言うなよ!」
「・・・それ嫉妬だから」
この頃の俺の頭には????が浮かんだな。
俺が嫉妬なんてなんでするのかわかっていなかったから。
「は?なんで俺が嫉妬すんだよ」
「なんでそれを俺に聞くんだよ」
「・・・たしかに」
「お前さ素直なれよ。とりあえず実歩は傷ついてる」
「なんでだよ」
「あーもうさ、お前って鈍感だな」