何故か、璃香の返事がない。


「り、か・・?」


「・・・・ご、めん・・ゆり、・・・・あたし・・。拓斗くんと付き合ってる・・。」




「え・・・?」


璃香と、拓斗が・・?


今日だって、拓斗と話したけどそんな事一言も言ってなかったのに―。








「ご、めん・・ほんと、ごめん・・・・っ・・・・。」


そういうと、璃香は、走って先に帰ってしまった、














それが、一昨日の放課後の事―。


璃香と拓斗が付き合ってるって知ってから、


あたしは拓斗を避けるようになっていた。




教えてくれなかった悔しさから、


もう拓斗はあたしに笑いかけてくれないんじゃないかという寂しさから、


そして、一番の理由は


璃香と楽しそうに話してる拓斗を見たくないから―。






確かに、今まで璃香と拓斗が付き合ってると気づくタイミングは


いくらでもあったのかもしれない、










これからあたしはどうしたらいいの―?




今までと同じようにすればいいの?










大好きな親友の幸せを、素直に祝福出来ない自分が、悔しくて。




あたしはいつのまにか、涙を流していた―。