「ゆーりっ♪帰ろうっ」
後ろから私に抱き着いて璃香が言った。
璃香は、同姓の私から見ても、可愛い。
そんでもって性格も明るくて、
だから、モテるんだよね。
羨ましいなぁ・・・。
私も璃香くらい可愛かったらな、なんて。
そんなこと言ってもどうにもならないのに、
「ゆり?どうしたの?ボーッとして。」
「ぁ、ううん。なんでもないよ」
心配をかけちゃいけない、と思い私はすぐに笑顔を作る。
「最近、由梨よくボーッとしてるよねぇー・・・、」
「え、そう・・?」
「悩みでもあんの?あっ!さては好きな人が出来ちゃったとか?!」
「へっ?!」
思いもよらない質問に、変な答えを返してしまう私。
「図星?」
「え・・あ・・・好きっていうか・・気になるっていうか・・///」
次第に小さくなる声に、璃香は苦笑する。
まぁ、とにもかくにも、
私には気になる人がいる。
それは、幼馴染の飯山拓斗。
なんでだか分からないけど、結構モテるんだ。
「で?誰なの?」
璃香は、当然、教えてくれるでしょ?とでも言いたそうな顔で聞いてくる。
「え・・ぇ・・と・・・・た、くと・・、です・・//」
私の顔は絶対真っ赤だろう。