「 大 好 き な ん だ も ん っ ・ ・ ・ し ょ う が な い じ ゃ ん ・ ・ ・ 」




「 わたし だ っ て ・ ・ ・ 大 好 き だ も ん っ ・ ・ ・ 」




友情をとるのか、恋愛をとるのか。



一人の男の子をめぐって、二人の想いが交差する―。






藍川由梨:この物語の主人公。


鈴宮璃香:由梨の親友。可愛くて、クラスの人気者。




飯山拓斗:由梨の幼馴染。



カチ、カチ、........ピピピピピ...ピピピ....


「んん...」


心地よい眠りから、このなんとも微妙な音で一瞬にして起こされる。




「由梨ーっ!早く下おりてきなさい、朝ご飯できたわよ。」


お母さんのそんな声を聞きながら、私は制服に着替えて階段を下りる。




「おはよう、お母さん、お父さん、万理。」


「おはよー、おねえちゃん。」




私は、素早く朝食を済ませると、急いで学校に向かった。


「いってきます、」


「いってらっしゃい、気をつけるのよーっ」






居るわけない、居るわけないんだ。と思いながらも、私は駅前をチラリと覗く。








やっぱり、いない―・・・。




いつもなら、駅前で璃香が待っているハズだった。


でも、昨日から璃香は約束の場所に来なくなったんだ―。




事件の発端は、一昨日の事―・・・。