老眼鏡をずらし上目使いの視線には威圧感が感じられた

…ここで怯むわけにはいかない
嫌われてもいい
むしろ嫌われたい…

小夜はドアを開けた勢いで良ニの前に進んだ

「あの!失礼は承知で来ました
この結婚は…良孝さんと結婚はできません
理由は…良孝さんと幸せにはなれないからです
あたしは…良孝さんを好きになることも支えることもできません
どうぞ良孝さんに相応しい人をお選びになってください」

良ニの突き刺すような視線に正面から向き合い、一息に吐き出した