小夜は立ち上がり部屋を飛び出した

後ろで良孝が何か言っていたが聞かなかった

廊下に出ると玄関とは違う方に小走りで奥へと進んだ

一番奥の他とは違う重厚な扉を「失礼します」と言いながら開けた

小夜が思った通りにそこは良ニの書斎で、本棚に囲まれた大きな机がある

その机の上にたくさんの書類を広げ難しい顔をした良ニが顔を上げた

「何か用かな?
君は…自分の家と勘違いをしているのか…
それとも他人の家での礼儀を知らないのかな?」