待ちに待った夏休み…小夜は遥と手を繋ぎフランスのシャルル･ド･ゴール空港に降り立った

…これがパリ…匂いが外国ね…
お洒落な雰囲気がするなぁ～

どこからともなく聞こえてくる異国の言葉や意味の分からない文字の洪水に小夜は酔いしれていた

「さあや…今日はホテルに荷物を置いたら夕飯を食べに行こう
明日は観光しながらトニーに会いに行くよ
電話では張りきってたから美味いもんがたくさん用意されているはずだ」

スーツケースを押しながら反対の手は小夜の手を握っている

タクシー乗り場に来れば流暢なフランス語で行き先を告げている

…ほぉわ～…ハルって凄い…
なんて格好いいの！
どこにいても素敵だけど…
一緒に旅行に来るといつもと違う新鮮な驚きね

夕暮れのパリの街中をタクシーは進んでいく

窓から見える景色をハルが丁寧に教えてくれた