そーちゃんが風呂に入った後に、真理子姉が「あんた、今日は部屋に鍵かけて寝なさいよ」といってきた。
どんだけそーちゃん信用されてないの。
「でも、そーちゃんって彼女いるんでしょ?私なんか妹としてしか見てないよ」
「どーだか。いっとくけど、優子に抱きついてる時の聡介さんの目、狩り中の狼みたいだよ」
「か…狩り…www狼wwなにその例え」
何でかツボってひとりで笑い転げていると、真理子姉はため息をついていった。
「とにかく、優子も、もう子どもじゃないんだから、あんまりベタベタ異性にくっついちゃ駄目よ。従兄弟っても相手は男なんだから」
はーい、と気のゆるんだ返事をして、階段を上がる優子。
今まで、そーちゃんとは兄弟のように関わってたこともあって、この時私は姉のいった言葉を軽く受け流していた。
でも、このあとの出来事で私は姉の言葉の意味をようやく体感したのである。
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「お風呂あがったぞー優子次入れよー」
そーちゃんがドアのノックをして、トランクス一枚の姿で入ってきた。
机で勉強道具を広げていた所だったが、突然の出来事で驚き立ち上がる。
今まで聡介から部屋に入ったことがなかったので、少し動揺する優子。
「う、うん…てか、そーちゃん湯冷めするよ?」
「ん。めんどくさいから服着ないの」
そーちゃんらしいなーと思いつつも、上半身に垂れた雫が気になり、首にかかっているタオルで拭いた。
「もう、ちゃんと拭きなよー髪濡れまくりだよ」
聡介をベッドに座らせて、頭にタオルをかけて拭いてやる優子。
黙々と自分の髪に触れる優子に耐えきれず聡介は呟いた。
「ごめん…もう、限界…」