現に今でも聡介の膝の上に乗ってテレビを見ている優子に、姉は危機感を覚えろ!と叫びたくなったが、こらえた。
「てか、聡介さん。またピアス開けたねー」
真理子は目を細めながら「聡介さんも一応は社会人なのに」とぶつぶつ文句をいっている。
「あーでもウチの会社、同期しかいないし、ほぼ自営業みたいなもんだから許されんだわ。この髪でも普通の会社じゃアウトだよな」
昔聞いた話では、そーちゃんの会社は大学時代の旧友が新しく起こした会社のようで、社風も自由で緩い会社だそうだ。
「それより、そろそろ風呂わいたんじゃね?」
聡介がいうのと同時に、お風呂が沸いた合図のメロディーが流れた。
「そーちゃん先入る?」
「ん。優子も入ru「言わせないから」…はい。」
そういって姉は乱暴にお茶の入ったコップを机に置いた。