「あ、そうだ。今日、従兄弟の聡介さんが…」
姉が言い切る前に、遠くから聞き覚えのある車の音が聞こえ、家の前にとまった。
姉は慌てて玄関へ駆け出し、鍵を開けると、スーツ姿の男がケーキの入った箱をもって立っていた。
「1ヶ月ぶりだな。」
「そーちゃん!」
優子は茶髪の男に駆け寄ると、そーちゃんと呼ばれる長身の男、聡介は優子を抱き締め、首もとに顔をうずめた。
「あぁーやっぱり可愛い…俺の癒やしだ!優子っ!」
抱き締める腕に力が入り、優子の腰に沿っていた手を下へ移動をする。
さり気なく優子の臀部を撫でる聡介を見て真理子は聡介の頭を思いっきり叩いた。
「姉がみてる前で何やってんの?」
「(怖い…)すいません…つい出来心で」
三白眼で聡介を睨みつける姉の真理子。に怯みつつも聡介は、優子を離そうとしない。
「あーそうちゃん!それってエスコヤマのケーキ?」
聡介が片手に下げている箱を見て、優子は目を輝かせた。
「そう。優子の為に買ってきた」