それから、講義が終わって、バイトに行って、家に帰ると姉の真理子が先に帰っていた。

姉、真理子は、私の2歳上で、バリバリのキャリアウーマンだ。仕事も出来るし、ハンサムな彼氏もいるし、私にとって憧れのお姉ちゃんだ。

但し、酒が入ると性格が変わって饒舌になるのが玉に瑕だが…


真理子姉と一緒に夕飯の準備をして、二人でご飯を頂く。真理子姉が珍しく缶ビールをあけたと思えば、それを一気に飲み干して、2本目のビールを手にとった。


嫌な予感がしたが、それは見事に的中した


姉はマシンガントークのように間髪入れずに上司の愚痴を私にぶちまけたきたのだ。


ストレス溜まってるんだなーと感じつつ、姉の機嫌を損ねないように相槌をうったり、共感しているような態度をとった。



「あのさ、真理子姉…」

缶ビール片手に酔っ払う真理子姉をみながら、ふと、私の悩みも相談してみようかなと思った。


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20年間生きてきた中で彼氏がいなかった訳じゃない。


中学生の時に付き合ってた同級生の彼氏はマザコンで、高校に入る時にそのことに気付いて、自分からふってやった。


高校1年の時の彼氏は、2つ年上で、優しくて頼りになる人だった。しかし、肉食系男子だったので性交渉の際ガツガツしすぎて、私は途中で怖くなって逃げて、それが原因で別れた。

高校3年の時に付き合ってた他校の彼氏は真面目な人だったけど、受験勉強とかで忙しくて連絡とれなかって、その内疎遠になって自然消滅した。

大学に入ってからは、学業やバイトやサークル活動などで忙しくて作る暇がなかった。

「でも、今日ふと思ったんだ。私これから先、彼氏も作らず処女なのかなって…」


「いつかは経験することでしょ。あんた位の年で処女ならいっぱいいるでしょ。友達がおかしいだけよ。ったく。最近の子って早く経験したほうがカッコいいって考え多いけど、処女捨てたところで得することなんてないよ。相手悪けりゃ性病かかるかもしれないし妊娠だってありえるんだから」

「そうだよね…最近の若者は、みんなおかしいんだよ。」

姉の言葉にほっと胸を撫で下ろす優子。
あんたも若者だろ、と突っ込む真理子。

「そういえば、真理子姉って初体験いつ?」


「私?………………………………私は17の時だけど?」

「真理子姉も十分早いじゃん」

歯切れが悪く話す真理子姉にイラっとする優子。