「えっ…優子、もしかして…」

みんな憐れみの目をしてこちらを見るので、思わず嘘をついた。


「んなわけないじゃん!まぁ、過去にそれなりに、色々な男と経験しましたよ!」

とっさに嘘をついたが、上擦った声で目の焦点も合っていないので、バレてしまったのではないか。耐えきれなくなり、無理やり話を切り上げようとするが、先程よりも優子の発言に食い尽く友人たち。

「うわぁー優子の体験談ききたい!相手どんなん?」

「今まで優子のシモの話とか聞かなかったからワクワクしてきた!」

現在、優子に彼氏がいないことは本人も公表して周知の事実だったので、エッチの相手は元彼のことだろうと推測する友人たち。

「優子の彼氏だからカッコよかったんだろうなー!年上かな?」

「分かる!大学生とか、社会人とか。優子って床上手な大人の男と付き合ってそうなイメージ!」


「案外、外国人だったりして」


いもしない私のエッチの相手について、勝手にイメージを広げる友人たち。

無理もない。斑鳩優子は、見た目は超絶美少女でスタイルも抜群に良いので、周りからはよく「モテる」とか「モデルの彼氏がいた(※実際はいなかった)」と勝手に噂話をたてられていた。

そんな優子が、未だに処女だということがバレたら周りは驚くだろう


「付き合ってた男の子はみんな普通だよ。本当。私の体験談なんて普通すぎてつまんないし」

これ以上嘘をつくのも良心が痛むので無理やり話を終わらせようとするが、

「またまた~ここじゃ何だから、飲み会とか、女子会の時に思う存分語ってね。楽しみにしてんよ」
「いいねーみんなで経験談、話しあっちゃおっ」

そういって、飲み会の日にちを設定しようとする友人の希恵。


(かっ、語れるわけないだろぉおおお。私はまだ処女なんだからぁっ)


自分が先程ついた嘘に深く後悔する優子であった。