私が対応に困っていると、在庫整理をしていた店長がこちらにやってきて「俺が叩いてやる」といって新聞紙を丸めて喜屋武くんの頭を思いっきりはたいた。

喜屋武くんも満足した顔してるし、これで解決したのか…?

…………………………………………

「バイト初日で、数々のご迷惑おかけしましたが、これからよろしくお願いします。」


休憩室にて、時間差で後から入ってきた喜屋武は座っている私の所に来るなりいった。
姿勢正しく、頭を下げる喜屋武をみて慌ててこちらも頭を下げた。
喜屋武くんって、見た目が不良ぽいのに、礼儀正しいよね。下着みただけで鼻血出したし、意外に純情なのかな?


「私も宜しく。それより喜屋武君って何歳なんですか?」

(さっきから、敬語で話してるから気になってたけど)

ふと思った疑問を口に出すと、「19です」、と返された。へー私より年下なんだ!


それから、客が少ない時には喜屋武くんと色々話をした。




喜屋武くんは、私が通っている女子大の近くにあるM大学(名門大)の文学部の二回生。
なぜ金髪にしているかは、喜屋武くんは、趣味でバンド活動をしていてインパクトを出すため+バンドマンっぽく見せるために金髪にしたそうだ。


「ここの面接も金髪で受けたの?」

「いやー、一応コクサイふって来たんですけど、行く途中で打ち水してたおばちゃんに水かけられて落ちちゃって、結局金髪のままで受けました!」


(どんな打ち水の仕方だったんだろ。コクサイ落ちるとかよっぽどだろ…)


「でも、金髪とか気にしないって店長に言われて本当に助かりました。俺、ここのバイト無理だったら、ヅラ買ってつけようと思ってましたから!」


「(髪を染め直す気はないのね…)」



喜屋武くんのことを知れば知るほどそのギャップに萌えた。




「喜屋武くんって見た目に反して真面目だし、色々とギャップあって可愛いね」

そういって微笑むと、喜屋武くんは顔を真っ赤にした。

「ゆ、優子さんのほうが可愛…すいません!名前でいって」

「ううん。優子さんのほうが嬉しいよ。」