昔の少女漫画のようだけど

優子さんに出会った時、俺の中の赤い恋の実が弾けるのを感じたんだ。




2話「見た目はヤンキー」




「おはよう。そーちゃん…なんでいるの?」

昨日の従兄弟に襲われかけた事件の後、姉にいわれた通り、部屋に鍵をかけて寝たんだけど、



目を覚ましたら、隣にそーちゃんが眠っていました。



「おはよう。優子」

私の質問をスルーして、そーちゃんは頬にキスをしてきた。思わず頬を手でこすると、そーちゃんは泣きそうな顔をしてた。


「いやいや、どうやって入ったの?一応ドアロックしてたのに」

「優子の部屋の鍵穴って十字だから、コイン差し込んで無理やりあけた」

そういって1円を空中に飛ばして遊ぶ聡介。優子は半ば茫然自失としていたが、すぐさま自身の服が乱れてないか確認した。


「流石に寝てる女の子には手を出さねーよ」

起きてる娘は別だがな、といって優子を押し倒す聡介。優子は顔を近付けてる聡介を押しのけて拒否する。

「やだ、私そーちゃんのこと、まだそんな目で見れない」

「まだ、ってことはいつ見てくるんの?」

「分かんない。それより離してよ」

背後から抱きしめられ、がっちりホールディングされてる

手足をバタつかせて抵抗するがびくともしない。

心なしか太ももに堅いものが当たっている感覚がして、ゾッとする優子。

「…そーちゃん。離してくれないと、真理子姉にいうから」

血の気の通っていないような声で呟くと、聡介は慌てて優子から離れた。


(そーちゃんの扱い方分かってきたかも…)