「隅田・・・。

 秋霜家は崩落だ。。。」


隅田は意味が分からなかった。


「旦那様?

 何をおっしゃってるんですか?

 秋霜家は今や大の資産家。

 崩壊なんて辞書はありませんよ。

 何かのイタズラでしょう…?」


そう言い、隅田は家のテレビを点けた。


『中継です…

 まだ世の中の混乱は治まっていないといった状態でしょうか

 先ほどからずっと電話が鳴り続け

 職員の方達は対応に追われています

 世界第2位のシェアを誇っていた企業の倒産

 それに伴う株価低落

 世界的に大損害を受けた方も多いいのではないでしょうか?

 日本でも大企業が沢山参入・提携していますから

 打撃を受けた企業の倒産宣告も臨時ニュースでどんどん入ってきています…』

 
‘ブチッ’


麗華の父はテレビのコンセントを引き抜いた。


「そういうことだ…。」


へっ・・・?そういうことって・・・

えぇぇぇぇぇ~~~!!

お手伝いの隅田でも、たった30秒足らずのニュースで状況を把握することが出来た。


「はぁ~。。。」


旦那様は頭を抱えていた。


「もう少し早く情報が入っていたら、

 株を早くに引き上げたんだが…

 残ったのはただの紙切れと化してしまったか…」


麗華の父は投資家もしていた。

初めは娯楽の気持ちでしていたのだが、

今となっては会社の利益ほとんどを投資していた。


一瞬にして麗華の父は一文無しになってしまった。

むしろ大借金を抱えるはめになってしまったのだ・・・