「チッ…。」


山本は思わず音に出して舌打ちをした。

ふと、我に返った。


『ヤバッ!』


山本は一気に冷や汗を掻いた。


「何か音がしましてよ?」


ほのぼの麗華はキョトンとしている。


「かかかかか…蚊が止まったの!」


山本の目は明らかに血走っている。

今までの麗華だったら、黒幕組織のお力で

確実に山本に明日は無かっただろう。

麗華が恋する乙女に早変わりしたお陰で

山本は九死に一生を得たのだった。