この人は…監督は後悔してるんだ。
俺はそれで十分だった。
「久しぶりに部活を見ていきませんか?」
監督は照れくさそうに笑って
「今更行けない。正直恥ずかしいよ。」
「なに言ってるんですか。監督の作り上げた部活でしょう?」
「し、しかし…」
「いいから、いいから。」
俺は監督の腕を引っ張って、学校に来た。
「監督のノート一冊で俺たちはここまで強くなったんです。」
監督はグラウンドで練習している後輩たちを見て嬉しそうに笑った。
「…戻ってもらえませんか?監督が必要なんです。」
「いや、このままで大丈夫だろう。今私が戻ったところで迷惑になるだけだ。それに、私ももう長くはないんでね。」
「え……」