あれから数日し夕方からある居酒屋を貸し切っての可憐の歓迎会があった

俺は現場が少し長引き遅れて場所に向かった


俺はこの日決死の覚悟を決め込んでいたのだ


『共蔵っ!こっち〜』

と言う佳寿の言葉に俺は歩みよった

『すまん。もう皆できあがってるなぁ』


『なんだよ〜つったってないで、そこに座れよ』

佳寿にそう言われて俺はとりあえず奴の隣に腰掛ける

ガヤガヤ騒がしく、たくさんの人の中から可憐の姿を探した


いた!可憐の周りには数人の仲間がいてアイツはいつものようにわらっていた


俺は素直にその輪には入れなかった

緊張し上手く話せそうに無い…それに佳寿以外の他の連中にこの気持ちを悟られるのは嫌だった


そんな可憐のそばには同僚の山田がいた

奴は俺よりも10は年上の部下だが俺とは違い会社でも人気者で誰からにも好かれる家族思いの優しい人奴だ

俺も何かあれば相談したりもする


山田が可憐に何か楽しそうに話しかけ可憐は肩を揺らして笑っている

それを遠目に見ていた俺に佳寿が囁いた

『可憐ちゃん楽しそうにだなぁ』


『くそっ!山田みたいな奴がモテンだよなぁ〜』

俺はポツリとぼやいていた