数日してから新しい事務員が仲間になった

名前は可憐


『おはようございます。今日からお世話になります。花園可憐です。』

『あぁ、おはよう。俺は…花園です、いや俺も花園っていう名です』

偶然にも同じ苗字

『そうなんですか…あっ社長…』


それが俺とあいつの最初の出合いだった


『おい!共蔵っ?どうしたんだよ』

『佳寿よぅ…あいつの名なんだって…』

『? お前と同じ苗字だろ?』

『ちげぇ〜ょ!苗字じゃあない…あいつの下の名だよ

『確か可憐って言ってたよなぁ…ってまさかお前?』

『あぁ、俺の女にするぜ!』


一瞬で恋に落ちた

こんな感覚は久しぶりだったが無性に昂揚していた

これは理屈じゃなかった…


その日俺の脳裏からあいつは離れなかった…仕事の鬼が聞いて呆れるが、たった一目あっただけの女にもぅ恋していた

可憐は俺とはちがい誰にでも優しくそしてみんなに可愛がられる性格だった

だからいつも周りには自然と誰かがいた

派手でなくオットリしていて、それから天然でホンワカしていて…


俺は現場…あいつは事務所

朝少しだけ顔を合わせるだけのふたりだったが、俺にはそれだけでもたまらなく幸せに感じていた

でもなかなか声がかけられなくて…
どこかでかなり意識してしまう自分に苛立ちがこみあげる…


そんなある日俺の前に可憐が現われた