夏の暑いあの日

埃だらけの現場

ただ忙しくて仕事に追われがむしゃらな毎日…

みんなピリピリしながら働いてる

そんな毎日…

どこかで学生のジャレ会う声を聞きながらも、それもウナル機械音の音にまみれてる


『休憩にしようか?』
仲間の佳寿だ…

俺は現場では浮いているらしい

だから仕事で友達とかで呼べそうなのはこの佳寿だけだ…

『またぁ〜そんな難しい顔してっと誰かに陰口たたかれっぞ〜共蔵』

『うるせぇよ!俺は仕事が恋人なんだよ』

そう…恋なんかどっかに忘れてきちまったなぁ…

俺がこの建築の仕事を始めて7年

やっと馴れて今では社長に現場を任せて貰えるようにまで育ててもらった

もともとウルサい性格で同僚からはかなり嫌われているのは判ってた


でもこれも俺の仕事さ!なんて…どこか冷めていた


『なぁ佳寿よぅ〜今日飲みにいくかぁ?このままで行けばこの現場も数日…ようやく落ち着けそうだ』

『あぁ、俺はいいが…でも仕事の鬼が珍しいな
あれから3年…お前もようやくアキや子供の事からぬけられたんだな』

俺には離婚歴がある

アキとは別れた妻の名だ

『ばか!飲みにいくのかよ!どっちだ?』

『あぁ、そういえば こないだ社長が言ってた新しい事務員の面接って今日なんじゃないかなぁ…共蔵?』

『へぇ〜。面接?』

その時はまだ…俺には関係ない話でしかなかった…