「私はね、君とシュラの境遇と、君のご両親の境遇が似ているような気がするんだ。」


「・・・はい。」


才能や幼い頃からの環境などのせいで人と関わることに不器用な青年。

純粋で彼に憧れを抱いて恋をしている美少女。


「まさに・・・だね・・・?」


「母も、父に会う前から知っていたんですか?」


「ああ、もちろん。さっきも言ったが、彼は有名人だったからね。」


そして私は彼女が大学に入学する前から、ラファエルのことが好きだったなど知る由もなかった。


だがしばらくして、少し会話を交わすような友人になれたところで私はラファエルのことを思い出した。

彼女もまた、ラファエルに夢中な女性の一人だったらどうしようと。


社長は切ない表情でため息をついた。


「あの・・・実際おじ様はどうしたんですか・・・?母の気持ちを知ったとき。」


それがねぇ・・・と社長は父と母の昔話を始めた。