「ああ、まぁ・・・単純に言うと、私が今シュラに対して心配していることと同じでね。ちゃんと純粋に人を愛して、恋人を作って・・・ということだ。」


「恋愛ができるのか、ってことですか・・・。」


「ああ・・・。言わせてもらうが彼らは似てるね、恋愛経験が人より少ないというか、
皆無だった。」


そんな彼らを、社長は将来のことで心配していたらしい。

一生一人で生きていく、というのも難しい。

やはり誰もが結婚をして、家族を背負い、愛しながら生きていくものだ。


アリスが少し思い悩んでいると、社長は微笑みながら聞いた。


「少し話が脱線してしまうが・・・。アリス、君はシュラのことを愛しているだろう?」


「え・・?!」


急な思わぬ問いかけにアリスは困惑してしまった。


「今私が、君のお母さんのことを話しくらい、それと同じくらい、君はシュラのことが好きだろう?」


アリスは赤面しながらも、優しい瞳を向けられて答えずにもいられないとわかった。


「はい・・・。好き・・・です。」


「ハハ、何も私に恥ずかしい顔をしなくてもいいんだよ。聞いておいてなんだが、アイリスに見つめられているようで少し恥ずかしいよ。」


と言って社長は童顔の可愛らしい笑みを漏らした。