「うん。彼に頼もう。」


そう言って社長はアリスの後ろに立っていた、息子を見た。

少年は持ってきた紅茶カップを側のテーブルに置いた。


「紅茶でよろしいでしょうか?」


「ありがとう。えっと・・・」


社長は、そうか、と言って少年を手招きした。


「この子は私の長男だ。瑠衣、ありがとう、改めて挨拶なさい。」


はい、と言って少年はまた礼儀正しくアリスに一礼して自己紹介した。


「初めまして、長男の神咲瑠衣です。父がいつもお世話になっています。」


「あ、アリス・クラウドです。よろしく、瑠衣くん。」


とても大人っぽく、しっかりした子・・・。


「はい、よろしくお願いします。
今日はわざわざお見舞いありがとうございます。
花瓶が奥にありますので、お花お預かりします。」


そう言うと、少年はアリスから花束を受け取り、奥の部屋へと消えていった。


「おじ様に似て賢そうなお子様ですね。
おいくつでしたっけ・・・?」


「ハハ、そうかい?彼らは皆10歳、今年11歳だね。小学5年生だ。」


それを聞いてアリスは以前、シュラとおじ様の家族のことを話したことを思い出した。


「え!中学生かと思いました。すごく大人っぽいですね・・・。」


「そうかな・・・。
でもしっかりした子だとはよく言われるよ。
でも実際より年上に思われるのはあの子だけかな。」


「あ、他の3人のお子様は・・・」


「ん?息子のことを話したかな?四つ子だと・・・」


「あ!いえ・・・・えっと、あの・・・」