「守羅(シュラ)」


自分の視界からすべてが遠ざかっていく感覚を覚えた。


「守る、者。羅刹のように強く美しい者。」


だんだんと声が遠く、響いてゆく。


「それがあなたです。」



やがて暖かい空気が自分を包むとともに、意識が薄れていった。






守羅・・・・


空を浮遊するような、大海に浮かぶような気分だ。



なんだ・・・?これは・・・

夢・・・かぁ・・・?



やがて自分を呼ぶ声が近づいてきた。

それは怒鳴るようにどんどん大きくなっていく。



「シュラ!」


体が・・・重い。


「シュラ!!起きてよ!!」



少年の高い声がシュラを現実へと引き戻した。