何かおかしいんだろうか

彼女になるべく触れないようにと気を使いながら、そう思っていた。
彼は今日の仕事があらかた片付いたら、社長のところに行こうと思った。
今まで人付き合いで悩んでいたとき、何でも彼に話していた。
いわばシュラの父親代わり。というより、師なのかもしれなかった。

アリスは相変わらず緊張気味で何か考えている風で、こんなバカみたいに悩んでいる俺のことなんてわかりもしないだろう。
自分の中で生まれていく何かわからないこの感情。
今までと違うような気がするこの感覚はいったいなんと呼べばいいんだろう。

二人とも昼前の青空を見つめて、お互いが思うことなど知る由もなかった。