side*龍弥

「すみません…。
通してください…。」

俺の目の前に、杖を付いた女の子が俺の方向に向かってくる。
不自由そうに…。

「…大丈夫?
肩貸そうか…?」

俺がそう言うと、目の前の女の子は、目を丸くして、きょとんとしていた…。

「…あ、俺、松永龍弥。」
「えっと…、恒松紗希です。」

自己紹介が終わった後、顔を赤らめて、
「お願いしても…いいですか?」
と言ってくれた。
正直、嬉しかった。