「牧野さん。」

そう呼ばれてあたしの肩へ上からおりてくる男の手。

なぜか拒否反応が出ない。

「れっ零サマじゃんッ!?」

花音が目を見開いて上を見上げる。

零サマ・・って・・・零のことだよね?

確かめるように、ゆっくりと顔をあげる。

やっぱり・・そこにいたのは。

朝のときとは、まったく別人の。

王子様スマイルの零が立っていた。