「零っ、お前合計点数何点だったーッ!?」

がばっと後ろを向き、最初に言う言葉がそれ。

今は、帰りの会が終わった直後。

「493。」

「まじかよッ!?」

目を大きく見開き、閉じないような口。

「なっ何勉強したらそんなんになれんの!?」

肩をつかまれ、ブラブラと揺すられる。

「教科書読むだけ。」

「絶対違うだろ!?俺だって教科書読んでるけどさ~めっちゃ低いぜ!?」

肩を揺する力が、強まっていく。

「しらね。」

「ほんっと零ってつめてぇ奴だよな~っ!!」

「はいはいはい。」

鬱陶しい拓馬の手を振り払い、席を立つ。

「どこいくんだよー?」

「べつに。」

帰るだけ。

丁度、教室のドアを開けようとしたときだった―――――――――・・