「ひょっとこ」


……あっ!

優ちゃんに初めてお化粧してもらった時だっ…!!


「あん時のお前見てさ、“大丈夫かコイツ?”とか思ったもん」

「あ、アレはっ…鏡を見る前でしたしっ…!!
なんか、周りの人の視線が怖いって言うかっ…不安でっ…!!」

「でも、ひょっとこはねぇよなぁ」


くつくつ笑う龍輝さんに反して、私の顔は恥ずかしさで赤くなっていく。

うぅ…そんなに笑うことないのに…。


「…だってあの時は、本当に不安だったんだもん…」


優ちゃんのことを信頼してないわけじゃないけど…、でも「もしかして?」とか思っちゃって。

だからトイレの前で龍輝さんに会った時は、「死にたい…」って本気で思った。




「お前は、周りの目を気にしすぎだよな」


龍輝さんが私を見てふっと笑う。