「えっと…静か、ですね…」

「だな」

「……一人で住んでて、寂しくないですか?」


そう言った私に、龍輝さんは優しく笑う。


「大雅と居ることが多いから、寂しくはないな。
それに、朔也や健吾も居るし」

「そっか…みなさん、本当に仲がいいんですね」


「まぁ、喧嘩もしょっちゅうするけどな」


…でも、喧嘩するほど仲がいいって言うもんね。

なんだか羨ましい。




「アイツら…あぁ大雅と健吾な?
アイツらさ、俺が一人暮らししてんのを聞いても全然驚きもしなくて。
最初の一言が“羨ましいー”だったなぁ。

事情聞かれたら話すつもりだったけど、そんなの関係無く俺に接してくれて。

口には出さないだけで、気にはしてたのかもしれねーけど。
でもさ、俺を見る目ってのが全然変わんないのは事実で。

だからあん時は、マジで嬉しかった。
あまりにも変化が無かったから、言うのを忘れてたのも事実だけどな」


あー…。なんか龍輝さんらしいかも。

私の名前も、知らないまま普通に喋ってて、あとから「お前真由って名前なんだ」って言ってたし。


うん、龍輝さんらしい。




「龍輝さんって、ちょっと抜けてるとこありますよね」

「そうか? 俺から見りゃあ、お前の方が“大丈夫か?”って心配になるけどな」

「え、私?」


「そーそー。 お前ボーッとしてること多いし。
それにほら、急に変なこと言い出すじゃん」


え?

変なこと、って…私、何か変なこと言ったっけ??