「翔ぁー!ピザー!!
 すごいことなってる!!」

 龍人の声が中から聞こえる。
 もう一度恭哉に手を振り家に帰る。

 ”アイツと関わって
  得なことはない・・・!!”

 ”あいつは・・・!!”

 頭の中で龍人の叫びと悲痛な面持ちが
 蘇る。
 あれはいったいー・・・

「翔、おーい翔」

「ん・・・ん?」

「ピ・ザ」

「あぁ、今行く」

 
「さっきの、
 松下恭哉。そうだろ?」

「うん」

 ピザを皿にだし、ナイフで切り分ける。

「母さーん!早く出てー!!」

「アイツと何の話してきた?」

「なんにも」

「嘘」

 抱きつかれたなんて・・・!!
 口が割れても言えない!!
 
「ほんと」

「・・・」

 すっごい見てくる・・・。
 でも、”顔が見たくなったんだって”
 なんて言ったら恭哉がホモ扱いされる、
 あるいは女ってバレるー!! 
 とすごいスピードで頭を回転させた結果

「明日の学校行くときの話した」

「ホントか」

「ホント!何なら聞いてみれば?」

「いやだ」

「何の話?」

 お母様再び登場ーーー!!

「ん?あぁパクチーのせるかどうか話してた」

 目配せをする。

「俺、パクチー嫌いなんですよ。
 なのにこいつ、乗せようとするんです」

「あー母さん味方にするなんてセコイぞ」

「お前がしなかったのが悪いんだよ」

「のせないでよ。
 私も嫌いなんだから」