結局、私は
塾に行くことになった。

「そっか。帰り道も
　急がないといけねーな。」

流依はそう言った。
ごめんね。だけど、
小さい頃からの夢を
叶えたいんだ。


「今日は、進路についてです。」

HRで先生が前に立って
受験のことや進路の
ことについて話し始めた。
その中で、たくさんのプリントが
配られた。
高校の名前とその高校の説明が
書かれている。
私が一番に目をつけたのは

『なさ高等学校　看護科』

ずっと行きたかった高校。
だけど、その高校は今の場所から
ずっと離れていて。
とてもじゃないけど今の家からは
通えない。
その高校にある寮に行くことになる。
看護師になるために必要なことを
教えてくれて、国家試験に合格すれば
２０歳で看護師になれる。

「俺は、西高校でいいかなー。
　サッカーつえーし」

流依が雄大と話しているのを
聞いた。
西高校は、今の流依の家からも
普通に通える場所。

「ねぇあず。やっぱり
　なさ高校に行くの？」

そう聞いてきたのは、友達の中で
唯一話している、梨乃。

「…うん、、。」
「そっか。」

HRは簡単な説明で終わった。