「近藤さんは引越しました。」

次の日の学校で先生が
報告した。

「引越したんだ…」

あの時のことで、責任を
感じてしまったのかもしれない。

あの日は、自殺しようとしている
人がいると思ったのか、先生が
体育倉庫から、分厚いマットを
引っ張り出してきてくれたみたいで。
私はそのマットの上に落ち、
奇跡的に大きな怪我なく無事だった。
ただ、落ちたときの衝撃で
気を失ったものの
すごく元気。


だから、もし責任を
感じているなら、それは
あなたのせいじゃないと
伝えたいのに。



「それぞれの夢に向かって
 歩いてんだな。」

その日の帰り、流依がボソッと
言った。

「夢?」
「おぉ。」