「俺、あずにわりぃ事しったって
 反省してる。
 もっと、早く動いておくべき
 だったんだ。」

動いておくと言った。
私にはその意味が分からなくて…。

すると、流依が一気に話した。

「あの日、俺、近藤さんに
 呼ばれて、告白された…。
 ごめんって言おうとした。
 したら、ふったら死ぬからって言われて
 俺どうしたらいいか分かんなくなって…。
 黙ってたらいきなりキスされた。
 そこで、あずが来たんだけど
 追いかけようとしたら近藤さん
 手にカッターあててて…。」

流依はうつむいてた。
そんな事があっただなんて全く
気づかなかった。
気づいてあげれなかった。

「ごめん、私…流依の事
 疑ってた。」
「謝んなよ。疑って当然だろ?」

それから、少しの
沈黙があった。
だけど、また流依が口を開いた。

「放課後、話しに行くわ。」

決意したような流依の顔。

「わ、私も行くっ」

これ以上、流依と
離れていたくない。
千紗ちゃんにも分かってほしいことがある。
もう、グジグジしてられないから。