結局、授業も部活も
集中できないまま終わって…。

下校時間
サッカー部がまだ中で
練習をしていたから
校門に座って流依を待つことにした。

数分後

「でねー。っ…竹内君 
 聞いてる?」

千紗ちゃんと流依が一緒に
やってきた。

「あっ、あぁ」

流依は私がいることに気づいた
みたいだけど、私に声も
かけずに通り過ぎた。

「…っ流依!!」

本当は声をかけないで
おこうかと思ったけど
負けてられない、と
思って、私は流依の名前を叫んだ。
流依は立ち止まって
私のほうを向いた。

「話そう?」

私は涙こぼれてくるのを
必死にこらえながら、そう言った。

「ごめんね?今、竹内君
 私と話してるの。」

だけど、流依が答える前に
千紗ちゃんがそう言って
流依の腕を引っ張り
行ってしまった。