その日の帰り

「あー!あず、俺どないしよー」

らしくない発言。
髪の毛をバサバサ手で乱し
大声をあげる流依。

「あはは。大丈夫だよ」

私は流依の肩を
ポンポンっと軽く叩いて
慰めた。

「いいよなぁ、女子は
 ダントツの1位で!!」

ちょっと怒ったフリをして
言った。
そう、女子は本当にダントツの1位で…。
本番ではどうなるか分からないけど
先生達も大きなハプニングが
ない限り絶対に1位だな。
といっていた。

「ごめんって。」

私はちょっぴりすねて
流依よりも歩くスピードをあげる。

「嘘だって、あず大好き」

そう言って私を後ろから私を抱きしめた。
どんなことを言われても
耳元で『あず、大好き』なんて
言われたら許せない訳がなくって…。

「知ってる…。私も大好き」

顔を後ろに向ければ流依の顔があって…。
流依の体温が伝わる。
流依の匂いがする。
それだけで幸せで…。
私たちはキスをした。