梨乃はその後ずっと
テンションが高くて。
嬉しそうに笑っていた。

放課後。
試合までの日にちは本当に
残りわずかだったけど。
私は私らしく気持ちよく。
そう思えば、気が楽になって。
記録は一気に上がった。

流依の言葉、届いたよ。
試合、頑張れそうな気がした。


試合当日。

緊張で引きつった顔。
いつも笑っている梨乃も
今日はハードルに出るから
私を応援するほどの余裕はないみたい。

記録、出なかったらどうしよう…。

とにかく緊張してた。

「あずー!」

そんなときに名前を呼ばれた。
そこに立っていたのは
私を励ましてくれた
応援してくれた流依がいた。

「頑張れ。
 あずはあずらしく!
 行って来い!!」

そう。
私は私らしく。

「うんっ」