えぇーと…


「笹原 莉久です。家庭の事情でこの町に引っ越して来ました。
よろしくお願いします」


最後にペコっと、頭を下げた。



我ながら、完璧な自己紹介!


私は自分で自分を誉めた。


「皆さん!笹原さんと仲良くするようにね!笹原さんの席は、窓側の一番後ろよ」


「はいっ」


私は自分の席へと歩いた。

窓側の一番後ろとかラッキーだよね〜


定番中の定ば……



「何変な顔、してるのよ」

……え?


椅子に座ろうと瞬間隣から聞き覚えのある声がした


机に肘をつけながら私の隣の席に座っている子が

おそらく……イヤ絶対に言った。



………う、うそっ……!




「…とっ、登子ちゃ…!!」

私は急いで両手で口を塞いだ。



「笹原さん?どうかしたの?」


先生が私を見て言うと、クラスの皆が私を見た。




「な、何でもありません」

何でもなくないよ!


私は驚きを隠して、ゆっくりと椅子に座った。


隣に座っている登子ちゃんは、知らん顔をしている