悔しがって俯いて、頬を少しだけ膨らませた。
 そんな姿も彼には見られていたようで。



「おまっ、可愛い」
「!!」



 バッ、と顔を上げて彼の方を見る。
 大笑いしている彼が、笑いを抑えて彼女の名を呼んだ。



「リツ、」
「ん?」



 首をかしげると、彼の顔がすぐそばにあった。