「シャワールーム借りに行こう、服とか洗おう!」
「あー、うん。けど、」



 彼は少し戸惑い気味。
 返事に困っている様子で、彼女の手荷物を見た。

 それは、彼が遠まわしに、授業に遅れるよ、といっているようだった。



「いーのっ。それより、夾ちゃんが先なの」
「え、あ!ちょっと、香桜ちゃん?!」



 びしょぬれの、地面。
 びしょぬれの、髪。服。


 僕に触れて水槽の水のにおいが少し移った、手。