彼は諦めたのかそれとも呆れたのか、ため息をひとつついてから、


「……どうしてそう思うわけ?」


 と彼女に逆に問いかけた。
 一緒にいることが大切なんじゃねぇ? と内心では思いながら。


「だって、将ちゃん泣いてないじゃん」
「はぁ?」
「今ので泣かないとか! 鬼だよ、悪魔だよ! ドSだよ!」


 思いつく限りを並べるように、彼女はそういいきった。