「…………あの………葛西先輩…」

「ん??」

葛西先輩は笑顔で返事をした。


「ありがとうございました。」


「あぁ………それよりさ、………かっこいいって思ってくれた??」

「え??」


何を??


「俺をだよ!!結構強かったでしょ??」


まぁ…強かったね……




「あ………はい。強かったです!!」

「強い人は魅力的なんでしょ??何とも思わなかったの??」


聞いてたの!?!?


「え………かっこいいとは思いました!!あと、私は蹴られたくないなぁとも!!」


「………ふっ」


葛西先輩は笑い始めた。


「どうしたんですか!?」


「いや………俺、女の子は蹴らないから!!ははは!!やっぱり面白いや……那緒ちゃんは!!」



「そ、そうですか??」


「そうだよ!!俺、那緒ちゃん欲しいわ!!」


―ドキッ―


わ、私が欲しい???????

今のは女の子として普通はドキドキするものだよね??


私、先輩が好きなわけじゃないよね??


「どうしたの??那緒ちゃん?」


「あ…なんでもありません!!!!!」

「そ??じゃあ、俺がお茶持ってあげるから早く道場に帰ろ!!」



「私が持ちますよ!!」


「だぁめ!!こういうのは男に任せるのが普通なの!!ほら、那緒ちゃんは歩く!!」


「でも……」


私は、片手でお茶の入ったようきを持っている葛西先輩に押されて歩いた。


すごい…。


あんなに重いものを…片手で……

………ごみ捨て場のところではイケメンなんて皆性格悪いと思ってたけど………葛西先輩は性格もイケメンなんだなぁ…





空手部のマネージャーになってから1週間くらいになった。


私は今、友達の茜ちゃんとカフェテリアにお昼を食べに来ている。

「那緒はどう??空手部は!!」


「うん!!すっごくいい部活だよ!!」

「へぇ〜!!学園王子がいるんでしょ??どう??かっこいい??」


「かっこいいよ!!茜ちゃんも一緒に入ればよかったのに…………」

「あはは…だって私、ダンスやりたかったんだもん!!」


茜ちゃんはダンス部に入った。
で、ものすごく上手いの!!


「ダンス部は楽しい??」


「うん!!先輩たちはちょっと嫌な感じだけど………楽し………」


茜ちゃんが話終わる前にものすごくたくさんの女の子が立ち上がって入り口の方に向かって行った。

「光くん」「葛西先輩」「光先輩」


3、2、1年全ての学年の女の子がそういった。


「学園王子降臨だ………どんな顔してるんだろ??」


茜ちゃんはそう言って立ち上がった。





「うわっ…………那緒!!!!!!!」


「ん??」


「あの人、かっこいいどころじゃないわよ!!!!!あの人の周りに美という漢字が……………きゃぁ!!もう見れない!!!!!!!」


そこまで???


まぁ、普通のイケメンよりはかなりイケメンだけど………
そんなに????


「あんな美イケメンが空手してるの??????かっこいい!!!!!!!!試合とかってあるの??」


「あるよ!!たぶん…3週間後!!」




「行くから!!!!!!場所と時間教えてね!?!?!?」


「え!?!?うん!!!!」


すごい…………葛西先輩、茜ちゃんを一瞬で虜にした………


入り口を見ると、葛西先輩も数人の女の子達もいなくなっていた。

べ、別に気になる分けじゃないし…………!!!!


「那緒!!次の授業は音楽だよね??」

「うん!!」


「じゃあ、もう行こ??」




音楽室に着くと、1人の女の子が泣いていた。


どうしたんだろ…????


「ねぇ………どうしたの??」


「あ、坂口さんと安斎さん……あのね、この子今日葛西先輩にコクりに行ったの!!!そしたら………」

「好きな子がいるって!!!う゛ぅ…………で、ありえないけど先輩が2番目でもいいからって言ったら好きな子だけに集中したいんだ。って言われたの!!!!!どんだけかわいいこなんだろう………その子………うぅ…………」


―ズキッ―