「うれしいです!!!!!!!」


「????…………俺、一人で怒って奈緒ちゃんを引っ張ってきたんだよ????」


「妬いてくれたのが嬉しいんです!!!!」


「???」


「先輩、私が間君とか陸と話してても余裕そうですし…………」


私がそう言った瞬間


………ーグイッ


と腕を引かれた。


私は、先輩に抱きしめられていた。


「奈緒ちゃんといるときの俺に余裕なんてある訳ないじゃん。」


「え???」


「頭の中奈緒ちゃんでいっぱいになるし、奈緒
ちゃんが間とか、陸と話してる時は嫉妬すごいし……………」


赤くなってそんなことを言う先輩がかわいかった。




「何で笑ってるの????」


私、笑ってた!?!?


「その…………」

正直に言おう…………


「か、かわいかったので!!!!!!!!!!!」


私がそう言うと、先輩は私に顔を近づけて言った。


「男にかわいいなんて言うもんじゃないよ??」


「…………///////」


私にそう言った時の先輩の顔は、いつも以上に綺麗で大人っぽかった。


「行こうか!!!!もう、肝試しも終わっただろうし!!!!!!」


「はい!!!!!」






宿舎まで帰って先輩と私は部長にみっちり怒こられた。


でも、私は、この合宿で先輩の気持ちが少しわかっか気がした。







































「先輩!!!!!!!!」


夏合宿も終わって私は今日、


先輩とデートをする。


先輩はこっちを向いて手を振っている。


「お待たせしました!!!!」


「俺も今来た所だから!!!」


やっぱり先輩はかっこいいな…………


通り過ぎる人がみんな振り返ってるよ………


「今日は、どこに行くんですか??」


今日は、とか言って………
これが2回目のデートなんだけど………


「水族館はどう??」


「あ!!いいですね!!!!」


私達は水族館に行くことになった。





「先輩!!!!!先輩!!!!イルカですよ!!!!かわいい!!!!」


「イルカ好きなの??」


「あ………いや、そういうわけではないですけど、かわいいとは思います!!!!」


「ふ~ん………」


イルカを見ながら答えた。

私はそんな先輩に見とれてしまった。


気づくと先輩も私を見ていて、


「俺の顔に何かついてる??」


「あ、い、いえ!!!!!な、何も付いてません!!!!!」


「そ??」


先輩は子供のような笑顔をした。


わ…………今、私、絶対顔赤い…………


「あ、奈緒ちゃん!!!アシカのショーがあるみたいだけど行く??」


「い、行きます!!!!!」






アシカのショーがある所に行くと席は既に埋まってしまっていた。


「立ってみるしかないね。」


「はい………」


立って見るのは結構辛いけど、先輩が隣にいるから全然苦じゃない!!!!!


その時、


「あの、これ、アシカのショーですよね??」


先輩の横から女の人の声が聞こえた。


「あ、はい…そうですけ…ど……冬実!?!?!?」


え!?!?ふ、冬実???
だれ!?!?!?


「光!?!?」


「うわー!!!!久しぶり!!!!あっちから帰ってきたんだ??」


「うん!!!!背、伸びたね??」


「当たり前。あれから2年経ってるんだから………」


目の前でわけのわからない話が繰り広げられている。


「せ、先輩??」


「ん??あ、あぁ!!」


「新しい彼女??」


「そう。彼女!!!!かわいいだろ??」


「安斎奈緒です。よろしくお願いします。」


挨拶をした。


「よろしく!!私は、望月冬実。………光の元カノかな??」


「な………おい!!!!!!」


先輩が焦ってる………


先輩、私とつき合うのが初めてじゃなかったんだ…………


そりゃ、そうだよね………
こんなにかっこいいんだもん………


「奈緒ちゃん??今のは………」


私は先輩に笑顔を向けた。


「元カノさんきれいな人ですね!!!!」


ほんと………
平凡な私とは大違いだよ……





…………ー


なんで………??
なんで……??
どうして??


私の目の前には笑顔でお昼を食べながら会話を楽しむ先輩と冬実さん。


今カノと元カノが一緒にいても平気なんですか!?!?!?


てか、冬実さん、ひとりで水族館に来たの!?!?!?


「光ってずっと空手やってるよね!!!」


「家が道場建てたからね……ま、楽しいから!!



「ふーん………」


なんか、先輩……私と話してる時よりも楽しそう………


はぁ…………


私、今、周りから見たらカップルにくっついてるおまけ……いや、お邪魔虫………


「あの……私、お手洗いに行ってきます……」



この状態に耐えられなかった私は逃げ場を探した。

結果、私はトイレに逃げた。


「奈緒ちゃん、お腹の調子悪い??」


「デリカシー無いわね………私も行っとこうかな……??」


ま、マジ………!?!?


こうして、私は冬実さんとトイレに行くことになってしまった。




「奈緒ちゃんって、私と光が付き合ってたって思ってる??」


トイレの個室から出た後、いきなり聞いてきた。


私が黙っていると冬実さんは続けた。


「私、光の元カノじゃないから!!!」


「え??」


だって、さっき元カノだって………


「ただの幼なじみ!!!!」


「そうだったんですか!?!?!?」


な、なんだ………よかった………


「………私はそうは思ってないけどね………」


「え??」


「………ずっと、光が好きだったの!!!!!!」


えーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?
と、トイレで大暴露された…………


「奈緒ちゃん…………半端な気持ちで光と付き合ってるなら私、とっちゃうから。」


え……………………


先輩をとる?


その言葉を聞いて、私の中で何かがぐつぐつとをたて始めた 





冬実さんは最後まで一緒にいた。


全然、先輩と話せなかった…………

ずっと、冬実さんがくっついてるから………


「はぁ、今日は、楽しかったな!!!!」


「そっか。じゃ、俺は奈緒ちゃんを送って帰るから、気をつけて!!」


そ、そうだ!!まだ先輩と………


そう思った時、


「なに??幼なじみより彼女とるわけ??」


「当たり前だろ!?!?!?」


先輩がそう言った後、冬実さんが先輩の腕に抱きついた。


「冗談よ!!ねぇ、奈緒ちゃんの後でもいいから送ってよ??」


私の後??
冬実さんと先輩が二人っきりになっちゃうじゃん………


そんなのいや…………


気づいたら私は冬実さんがくっついてる逆の腕を掴んでいた。


「な、奈緒ちゃん!?!?!?」


「………いやです…………」


「え??」


「私、今日、先輩と全く話せてません………付き合ってから初めてのデートだったのに……」


こんなこと言って…………
私、先輩に嫌われちゃう………


「じゃあ、先に冬実を送ろうか!!」


「え??あ、………はい………」


先輩に従うしかなかった。
だって、先輩がすごくかわいい笑顔見せるんだもん………