葛西先輩は今までに見たことのない笑顔を見せて私の頭に手を置いた。


「てれるじゃん………」


―ドキッ―


やっぱり………葛西先輩はかっこいい…………


顔もだけど………


先輩は私をドキドキさせる天才だ

「あ…………先輩………ここです私の家………」


帰りたくない………




先輩とずっと………


「ありがとうございました………」

私が家に入ろうとして門を開けた時。


……―グっ………


「え??………っ………」


「…………離れたくなくなっちゃった………」


私は今、先輩の腕のなかにいる。

「……………私も…………です…」

先輩を抱き締め返した。



「嬉しいな…………ねぇ…那緒ちゃん………」


「え??」


「結婚しちゃう??」


「結婚……………っ!!結婚!?!?!?」

ま、まだ付き合って間もないし、未成年なのに??????????????


「はははっ!!!!冗談だよ!!冗談!!」

冗談……………


「でも………いつかしよう………」

「え??」



先輩の顔が近づいてきた。


キ、キス!?!?!?


―チュッ………


おでこに暖かい感触………


「また明日………」


顔が熱くなってきた。


特におでこ………











テストが終わって1週間。


部活で部長が夏定番の『あれ』の話をしはじめた。


「今年も夏合宿を行う!!!!!!」


部員達からはブーイング、葛西先輩は…………


私に笑顔を向けた。


先輩…………


かっこいいです…………


合宿では先輩のこと毎日見れるんだ…………





最高!!!!!!


合宿は3日後に始まる。


5泊6日。


楽しみ!!!!!!!!


待ち遠しい!!!!


















……………


「皆集まったな!?!?」


バスの中には既に部員全員が乗っていた。


私の隣には、


「那緒ちゃん、眠くない??俺の肩使っていいよ??ってか………使って…………」


きゃーーーーーーー!!!!!!!


優しい言葉の後に命令形!!!!!!


「だ、大丈夫です!!」




「そ??」


葛西先輩はちょっと落ち込んだような顔をした。


………………


―コツン―


私は葛西先輩の肩に頭を置いた。

「眠りませんけど………使ってもいいですか??////」


「当たり前じゃん///」


その時、


「那緒!!何してんだよ???」



「うわっ!!!!陸!!!!」


前の席から陸が顔を出した。


「あ〜も〜!!!!邪魔すんなよ……子どもはおとなしく席に着いてなさい!!!」


「子どもだと!?!?!?」


「子どもだ。」


陸は悔しそうな顔をして自分の席に戻った。