―7月4日
事実から逃げるように私はずっと寝てることにした。
―コンコン…
誰だよ。
今、イライラしてんだよ。
「どうぞ」
私は怪訝ぽく言った。
「雫ちゃん、いる…?」
誰だし、いるもなにも返事しただろーが。
「えっ…」
実羽ちゃんだ…。
「こんにちは…。元気?」
「あっ…、うん」
嘘をついてもしょうがない。
「何か、あったの?」
「いや…別に」
「そう…」
しばらくの沈黙が続く。
私は耐えられなかった。
「あのさ、聞きたいことあるから屋上行かない?」
「あっ、うん」
こうして切り出さなければ真実はわからない。