《ん?あれ?この子誰だろう・・・フード被って顔が見えないな・・・》
そうな思ったものの所詮これは夢の中だ。蒼は人見知りだが、夢の中ではそんなもの関係ない。
「ねぇねぇ」
そうやって少年の肩をポンポン、とたたいた。

少年は振り返った。

知らない顔だった。

しかし、とても美形で、茶色の髪もサラサラで、イケメンだなぁというような顔をしていた。

すると、少年が
「あのさ、君、次出番じゃないの?」
と言ってきた。
プログラムを見ると次はリレーだった。蒼がでる種目の一つだ。
「・・・あっっ!!!ホントだ!!ありがと浅野君!」
そういって蒼はグラウンドに走って行った。

・・・・のだが。


《え?なんで私フードの子のことを浅野君とか呼んだんだろう・・・なんでしってんの?てかホントに本名浅野な訳??》

・・・自分で言っといて不思議に思った。

蒼はあの少年のことを知らない。

だが、夢の中なのでそういうこともあるのかな程度で思っていた。
しかも蒼自身夢の中の蒼であって本当の蒼ではない。空想の人物だ。