あの、例の、フードを被った少年が居た。



「あっ…、浅野君!?!?」
蒼がその少年に駆け寄る。
「どうしたの浅野君!久しぶりだね!!」

「あ、あぁ…そうだな」
フードを被っている為なのか、よく表情が見えない。
「それよりお前…」
「私はお前じゃありません!香椎さんってお呼び!」
「ぷっ…お呼びってお前…何様www」
「何様って、香椎蒼さまですの!——ふっ、あははははっw」
少年と蒼は笑い出す。
《心なしか、今は受験とか勉強とかどうでもよくなってきちゃった!》

蒼はこのまま〝浅野君〝と笑い合って居たかった。が、

「んで香椎さん?w授業に戻らなくていい訳?」
「ほぇ?授業って何の事?」
「こういう事だよ!!」
すると、いきなり少年が思いっきりほっぺたをつついてきた。

「えっ!?な、何すんのちょっと!?///」
吃驚してつい目を瞑る。




「…お前が何してんだよ」


「………え?」