「お、おう。んぢゃ、そろそろ父さんたちのところに戻るか。」

ケータイで時間を確認しながら、輝が言った。

その言葉で、一気にあたしは現実の世界へと戻された。

「そ、そーだね…。戻ろっか…。」

「悠奈…。」

輝はあたしの手を優しく握りしめてくれた。

「大丈夫だから。俺たちは離れていても心はずっと一緒だから。」

「うんッ!!約束だよッ♪」

輝が言ってくれた言葉で、あたしは一気に不安な気持ちとかが飛んでいった。

「あっ、俺言っておくけど、さっきのファーストキスだから。」

輝は顔を赤くしながらそっぽを向いて言った。

「…うん。あたしも、初めてだった…。」

「それは知ってる。あと、ネックレスは今俺がつけてるのとペアなんだから大切にしろよー。」

笑いながら輝が言った。