そして、入学式が終わり…。
下校時間。
「えぇぇ!?喋った!?誰と誰と!?」
物凄い形相で驚く菜波。
「朔田く―」
「え!?翔輝くんと?あの人気者と喋ったの?」
はっや。
即答だな。菜波。
「に、人気者なの?」
あの人気者とか言うけど、菜波。
あなたも十分人気者だよ 。
「そうだよ。
前の中学校ではファンクラブが出来るほど女 子から
絶大な人気。
男子からも人気だし…。
そんな人と喋 ったなんて、
凄いよ!」
そ、そうなんだ…。
そんな凄い人と喋ったんだ…。
「良かったじゃん!ちょっと克服できたんじゃない?」
え、克服?
…そっか…
ちょっと喋れるだけでも進歩したん だ。
「じゃあ、お祝い!カラオケ行こう!」
「えっ、カラオケ?」
お祝いって
…そんなに凄いことだったのかな(笑)
「う、うん。行く」
こうして私と菜波は6時間も熱唱してたのだった。