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私の嫌いな始まりの時期。
私は、自他共に認める”人見知り“だ。
初めて会う人なんて絶対話しかけられない。
だからクラス替えなんてもちろん嫌い。
でも、今年は何もかもが違う。
高校生になった。
…違う中学校から集まる生徒。
上下関係はますます厳しく なる。
そんな中私は高校にいけるのだろうか?
「友達、出来んのかなぁ」
私は思わず呟いた。
「大丈夫だって、陽菜。そんな心配することないじゃん」
私の隣で明るく接してくれてるのは、
私が唯一本音を言え る存在、
阪井菜波。
運動神経抜群で、中学生のときは陸上 部のエースだった。
私は笑顔で菜波を見た。
「そうだよねっ。大丈夫だよね」
菜波に言われると少しだけ心が和らいだ。
「あ、ほらほら、降りなきゃ」
私たちは電車から降りて、すぐそばにある学校についた。
東美村高校。
それが私たちの通う学校。
今日からここで3年間頑張るのか…。
友達…
出来るかな…。